涼しくなって過ごしやすい季節ですが、目のかゆみやくしゃみ、鼻水といったアレルギー症状に悩まされる方も少なくありません。
「秋に花粉症?」と思われがちですが、実はスギやヒノキとは異なる植物が原因で、9月〜11月頃に症状が出ることが多いんです。
風邪の症状と似ているので、風邪薬で対応している方も多いのではないでしょうか?
このブログでは、秋花粉症がいつから始まり、どんな症状が出るのか、そして原因となる植物と、私たちができる効果的な対策を専門家の視点から詳しく解説します。
秋にも春にも出る「花粉症を薬を使わずに改善」したい方
秋の花粉症は「いつから」始まる?

秋風が吹き始め、夏の終わりを感じる頃、多くの方が警戒するのは「秋の花粉症」です。
花粉症というと春のスギ・ヒノキを連想しがちですが、秋の花粉症は春とは異なる植物が原因となり、その飛散時期も症状も特徴があります。
読者様が最も懸念されている「いつから」という点について明確に申し上げますと、秋の花粉症は概ね8月下旬から始まり、9月、10月をピークとして、11月頃まで続くのが一般的です。
この時期に症状が現れるのは、主にイネ科やキク科の植物の花粉が原因となります。
春の花粉症が、高木であるスギやヒノキの花粉が遠くまで飛散するのに対し、秋の花粉症は主にブタクサ、ヨモギ、カナムグラといった背の低い草本植物の花粉が原因となるため、飛散範囲は比較的限定的ではございますが、油断はできません。
特に原因植物の近くにお住まいの方や、河川敷や農地など雑草の多い所によく行かれる方は、注意が必要です。
9月・10月がピーク!主な秋の花粉の飛散時期
秋の花粉症の主要な原因植物はキク科のブタクサとヨモギ、そしてアサ科のカナムグラです。
これらの植物の飛散時期は地域によって多少の差はありますが、最も症状が重くなるのは9月から10月の期間と認識しておくべきでしょう。
【ブタクサ】飛散時期と注意点
ブタクサは、キク科の一年草であり、秋の花粉症を引き起こす最も有名な原因植物です。
その飛散時期は8月下旬から10月上旬に集中し、特に10月がピークとなります。
ブタクサは非常に強いアレルゲンを有しており、その花粉は粒子が小さいため、気管支に入り込みやすく、鼻炎症状のみならず、喘息を引き起こす原因ともなり得ます。
ブタクサは河川敷、空き地、道端など、日当たりの良い場所に自生していることが多く、これらの場所に近づく際は、特に厳重な対策が求められます。
【ヨモギ】飛散時期と注意点
ヨモギもまたキク科の植物で、古くから薬草としても用いられてきましたが、花粉症の原因ともなります。
ヨモギの花粉飛散は8月下旬から10月下旬頃までと、ブタクサよりもやや長い期間にわたります。
ヨモギは非常に生命力が強く、日本全国の至る所で見受けられます。道端、土手、空き地などに群生しており、ブタクサと同様に身近な存在であるため、知らず知らずのうちに花粉に曝露している可能性がございます。
また、ヨモギ花粉症の方は、セロリやニンジンなどの特定の食品を摂取した際に、口の中や喉にかゆみが生じる口腔アレルギー症候群を併発する事例も報告されており、注意が必要です。
【カナムグラ】飛散時期と注意点
カナムグラはアサ科のつる性植物で、その飛散時期は9月上旬から11月上旬と、秋の花粉症の中で最も遅くまで続きます。
カナムグラの花粉症は、比較的重い症状を引き起こすことが知られています。
つるを伸ばして他の植物に絡みつく性質があり、これもまた道端や藪などで広く自生しています。
飛散時期が晩秋に差し掛かるため、気温の低下と相まって、風邪の症状と混同されやすい点にも留意が必要です。
秋の花粉症は春とどう違う?開始時期と特徴の違い
春の花粉症(スギ・ヒノキ)と秋の花粉症は、その原因植物、飛散時期、症状の特性において明確な違いがあります。
| 特徴 | 春の花粉症(スギ・ヒノキ) | 秋の花粉症(ブタクサ・ヨモギなど) |
| 開始時期 | 2月〜4月 | 8月下旬〜11月 |
| 原因植物 | 高木(樹木花粉) | 草本(雑草花粉) |
| 花粉の飛散範囲 | 広範囲(数百キロメートル) | 比較的限定的(数十メートル) |
| 合併症 | 花粉皮膚炎 | 口腔アレルギー症候群(OAS) |
春の花粉は遠くまで大量に飛散するため、広範囲で多くの方が同時に発症いたしますが、秋の花粉は飛散距離が短いため、原因植物の近くにいる方に症状が集中しやすいのが特徴です。
また、秋の花粉は春の花粉と比較して口腔アレルギー症候群を誘発しやすいという特性もあります。
これは、花粉のアレルゲン構造と特定の果物や野菜のアレルゲン構造が似ているために起こる交差反応によるものです。
秋の花粉症の原因や症状・対策と正しい改善方法とは?
いつから始まる?秋の花粉症の「原因植物」と症状

秋の花粉症対策を万全にするためには、具体的な原因植物の特性と、ご自身の症状を正しく把握することが肝要です。
秋の三大花粉!ブタクサ・ヨモギ・カナムグラの特徴
これらの雑草花粉は、春の樹木花粉よりも花粉の生産量が少ないにもかかわらず、そのアレルゲン性の高さと身近な自生環境のため、依然として多くの患者様を苦しめております。
「ブタクサ」は河川敷や空き地に要注意
ブタクサは、その名の通り豚(ブタ)が好んで食べるわけではございませんが、非常に繁殖力が強く、耕作放棄地や河川敷、鉄道沿いなど、手入れのされていない土地で群生いたします。
花は淡い緑色で目立ちませんが、非常に多くの花粉を生産いたします。
特に秋の行楽シーズンに河川敷などでバーベキューや散歩をされる際は、ブタクサの群生地に近づかないよう、細心の注意を払う必要があります。
「ヨモギ」はどこにでも生えている身近な存在
ヨモギは草餅などの食用としても知られ、古くから親しまれてきた植物ですが、花粉症患者にとってはアレルゲンとなります。
ヨモギは日当たりの良い土手や道端など、都市部でも郊外でも、ほとんどの場所に自生しており、完全に避けることが難しいのが実情です。
ヨモギの群生地周辺での屋外活動を避け、飛散時期にはできる限り窓を閉めて生活することが、重要な予防策となります。
「カナムグラ」はつる性のやっかいな植物
カナムグラは、その茎に鋭い逆刺を持つ、つる性の植物です。
他の植物に絡みつきながら成長し、秋には目立たない花をつけます。
この植物の花粉は、粒子が大きいため、飛散距離は短いものの、花粉の量が多く、アレルゲン性も高いとされています。
特に、庭や畑仕事、草刈りなどをされる際は、肌の露出を避け、防護服やマスク、メガネなどでしっかりと対策を講じる必要があります。
秋の花粉症によく見られる「症状」

日本気象協会参照
秋の花粉症の症状は、春の花粉症と同様、主にアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎として現れますが、雑草花粉特有の症状もあります。
鼻の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)
花粉が鼻粘膜に付着することで、体は異物を排除しようと過剰な免疫反応を起こします。
その結果、発作的な連続するくしゃみ、水のようにサラサラとした鼻水、そして粘膜の腫れによる鼻づまりが主要な症状として現れます。
特に朝方や夜間、または屋外に出た際に症状が悪化し、日常生活における集中力の低下や睡眠障害の原因ともなり得ます。
目の症状(目のかゆみ、充血)
花粉が目の結膜に付着することで、強いかゆみや目の充血、涙目といったアレルギー性結膜炎の症状が現れます。
目をこすることで炎症が悪化し、瞼の腫れや異物感が生じることもあります。
この目の症状は、特に花粉の飛散量が多い日に顕著となり、運転や細かな作業の妨げとなるため、適切な点眼薬の使用が重要となります。
口や喉のイガイガ感(口腔アレルギー症候群)
秋の花粉症患者、特にヨモギやブタクサに反応する方の一部には、特定の果物や野菜を食べた際に、唇、舌、喉の奥などにイガイガとしたかゆみや腫れが生じる、口腔アレルギー症候群が発症することがあります。
これらの症状は、風邪の症状に似ているために、市販の風邪薬で対応している方も多いですが、原因が花粉症なので風邪薬では改善されません。
花粉症だけでなく「アトピー性皮膚炎」でもお困りの方
秋の花粉症の「効果的な対策」いつから始める?

花粉症の治療は、症状が現れてから行う対症療法と、症状を未然に防ぐ予防的対策に大別されます。秋の花粉症を快適に乗り切るためには、飛散開始前の早めの準備と、日々の徹底したセルフケアが欠かせません。
飛散ピーク前「いつから」始めるべき?
秋の花粉の飛散は9月下旬から始まりますので、理想を言えば9月に入った時点から、具体的な対策を開始することが望ましいとされています。
飛散予報のチェックと事前準備
花粉症対策の第一歩は、花粉飛散予報を日常的にチェックすることにあります。
特に秋は、春と比べて花粉の飛散量が天気や風向きに大きく左右されるため、テレビ、インターネット、アプリなどで最新情報を得ることが重要です。
飛散が多いと予想される日は、外出を控えたり、洗濯物の外干しを避けたりといった事前準備が可能となります。
また、マスクやメガネ、空気清浄機などの対策グッズを、ピークを迎える前に準備しておくことで、花粉症の症状が出ても慌てずに対応できます。
医療機関への早めの相談
症状が現れる前、あるいはごく軽度のうちに治療を開始する「初期療法」は、花粉症対策において、ある程度は有効です。
秋の花粉症の場合は、飛散が本格化する9月下旬から10月上旬を目安に、耳鼻咽喉科などの専門医を受診し、抗ヒスタミン薬などの内服薬や点鼻薬の処方を相談するのも一つの方法です。
初期療法により、症状の重症化を防ぎ、ピーク時の生活の質を維持することが可能となります。
日常生活で実践したい予防とセルフケア
薬物療法に頼るだけでなく、日々の生活の中で花粉への曝露を減らす努力が不可欠です。
外出時の注意点と正しいマスク・メガネの選び方
外出の際は、花粉を吸い込む量を最小限に抑えるため、高性能なマスクと花粉症対策用メガネの着用が必須です。
マスクは、顔の形にしっかりとフィットし、隙間ができないものを選び、鼻や口からの花粉の侵入を防ぎます。
メガネは、目の周りを覆うフード付きのものを選ぶことで、目への花粉の付着を大幅に減らすことができます。
また、ウールのような花粉が付着しやすい素材の衣服を避け、表面が滑らかな素材の服を選ぶことも、効果的な対策の一つでございます。
帰宅後の花粉対策(服の払い方、うがい・手洗い)
帰宅時には、玄関に入る前に衣服や髪に付着した花粉をブラシや手で丁寧に払い落とす習慣をつけましょう。
室内への花粉の持ち込みを防ぐ重要な工程です。
その後、室内に上がり次第、うがいにより喉や口腔内に付着した花粉を洗い流し、手洗いで手についた花粉を落とします。
さらに、可能であればシャワーを浴びたり、洗顔・洗髪をすることで、顔や髪に残った花粉を取り除くことが推奨されます。
室内環境の整備(換気、掃除、空気清浄機の活用)
室内においても花粉対策は重要です。
換気を行う際は、花粉の飛散量が少ない早朝や深夜の時間帯に、窓を全開にせず小さく開けて短時間で行うことが鉄則です。
また、室内に持ち込まれた花粉は床や家具の表面に蓄積します。
このため、高性能フィルター付きの空気清浄機を設置し、稼働させること、そして、こまめな拭き掃除を行うことで、花粉の再飛散を防ぐことが重要です。
「薬が効かない」「副作用が怖い」と感じている方は、こちらのブログを参考にして下さい
いつから対策?秋花粉症の治療法
現代医学における花粉症の治療法は、対症療法から根本的な体質改善を目指すものまで多岐にわたります。
また、花粉症の根本的な原因に関する専門的な見解も存在いたします。
病院での主な治療法
耳鼻咽喉科などで一般的に行われる治療法は、症状の緩和を目指す対症療法が中心となります。
薬物療法(抗ヒスタミン薬など)
花粉症治療の中心となるのは、アレルギー反応を抑えるための薬物療法です。
主に抗ヒスタミン薬(内服薬)が用いられ、くしゃみや鼻水、かゆみといった症状の原因となるヒスタミンの働きをブロックします。
近年では、眠気や口の渇きといった副作用が軽減された「第二世代」の抗ヒスタミン薬が主流となっています。
また、鼻の炎症を抑えるステロイド点鼻薬や、目の症状を抑える点眼薬が併用されることも多く、これらの薬を症状に応じて使い分けることが重要です。
舌下免疫療法(根本治療)の適応について
花粉症を根本的に治癒する可能性を持つ治療法として、アレルゲン免疫療法があります。
特にスギ花粉症に対しては「舌下免疫療法」が保険適用となっており、アレルゲンを少量ずつ体内に取り込むことで、体を徐々に慣らし、過剰な免疫反応を抑えることを目指します。
秋の花粉症の原因であるブタクサやヨモギに対する舌下免疫療法は現在まだ確立途上にありますが、スギ花粉症と併発されている方は、この治療法について専門医にご相談されることをお勧めいたします。
【Q&A】風邪との見分け方や注意点
花粉症と風邪の初期症状は非常に似通っており、見分けがつきにくいことがございますが、以下の点に着目することで区別が可能です。
| 症状 | 花粉症 | 風邪 |
| くしゃみ | 連続的で発作的 | 単発的 |
| 鼻水 | 水のように透明でサラサラ | 粘り気があり、色が付くことも |
| 目の症状 | 強いかゆみ、充血がある | ほとんどない |
| 発熱 | 原則として発熱はない | 発熱を伴うことが多い |
| 症状の持続期間 | 飛散期間中、長く続く | 1週間~10日程度で治まる |
秋の花粉症は、気温の低下とともに発症するため、風邪と判断して市販の風邪薬を服用し、症状が改善しないまま長引くケースが散見されます。
目のかゆみが強い、症状が長期間続く、発熱がないといった場合は、花粉症を疑い、早期に対応している治療院の施術を受けることが肝要です。
薬に頼らないアプローチ:花粉症の根本原因に関する専門家の見解
最後に、従来の医学的な薬物療法や予防策に加え、花粉症の根本原因に焦点を当てた専門的な見解についても触れておきます。
カイロオフィス神戸快癒では、花粉症などのⅠ型アレルギー体質の背景には、副腎皮質ホルモンの分泌低下や自律神経の乱れが影響すると考えます。
副腎皮質ホルモン(ステロイドの元になっている成分)には、アレルギー反応による炎症を抑える作用があるため、ストレスや生活習慣の乱れなどによりその分泌が低下すると、Ⅰ型アレルギーである花粉症の症状が悪化しやすくなると考えています。
また、頭蓋骨や上部頸椎のズレが、自律神経や脳神経の伝達を妨げ、結果として副腎皮質ホルモンの分泌や免疫力の低下につながり、アレルギー症状を引き起こす原因になると考えています。
したがって、一般的な対症療法(薬や予防対策)では症状を一時的に抑えるに留まり、根本的な体質の改善には至りません。
実際に、薬を一切使わず身体の循環サイクルを正常化し、骨格の歪みを整えることで、アレルギー体質そのものの克服を目指す整体的・カイロプラクティック的なアプローチも存在し、長年花粉症に悩まされてきた患者様の改善事例も多数報告されています。
ご自身の花粉症がなかなか改善しない、あるいは薬の副作用に悩んでいる場合は、通常の治療法と並行して、このような身体の免疫機能を促進することに着目した花粉症などのⅠ型アレルギー改善の専門家の施術を検討することも、新たな克服の道を開く可能性があります。
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まとめ
秋の花粉症は、春とは異なる対策が求められます。
今年の秋こそ、長年の苦しみから解放され、健やかな毎日を送れるよう、本記事がその一助となれば幸いです。
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